前回の記事で、一部の営業マンから嫌われてしまった可能性があるので、営業マンからの好感度を取り戻すべく今回は「行動経済学で学ぶセールストーク」と題して、営業マンが使えるセールストークの具体例をお伝えいたします。
■購入意欲のある顧客への一押し
たとえば、あなたが旅行代理店で働いていたとしましょう。
ある日、若いカップルがやってきました。
「ねぇねぇ、海外旅行に行こうよー」とイチャコラ楽しそうに海外旅行のパンフレットを見て回っています。
しばらく様子をうかがっていると、どうやらそのカップルはリゾート地に行きたいらしく、ハワイに行くかバリ島に行くかで悩んでいるようです。
ハワイのプランは
- ワイキキビーチの観光
- アラモアナショッピングセンターの観光
- ダイヤモンドヘッドの観光
- 朝食付き
- 4泊6日
- 130,000円
一方、バリ島のプランは
- クタビーチの観光
- モールバリギャラリアの観光
- トゥグヌンガン滝の観光
- 朝食付き
- 4泊6日
- 130,000円
どちらも、
- 3つの観光名所を巡れる
- 4泊6日朝食付き
- 130,000円
という共通点があるのでカップルはずっと迷っています。
あなたならこんな時、どのように声をかけますか?
おとりを提示する
正しい回答も間違った回答もありませんし、嘘をつくのもよくありませんが、次のようにお声がけしてはいかがでしょう。
「今、お客様が見ておられるハワイのプラン、実は先週まで同じ130,000円でワイキキビーチとアラモアナショッピングセンターの2カ所しか観光に行けなかったんですよ」
先週までのハワイのプランなんてものは本来、今の二者択一に全く関係ありません。
しかし、分かりやすい比較対象(おとり)を提示することで、勝手にカップルが(先週のハワイプランと手元のハワイプランを比較して)「お得だ!」と思い込み、その結果「だったらハワイにする」と決断するかもしれません。
自分の意思決定によるものなので押し売りをされた気分にもならず、気持ちよくハワイ旅行を申し込んでいただけるでしょう。
おわりに
いかがでしたでしょうか? 本当はもう1つぐらい例を出そうかと思ったのですが、ふと「営業マン以外の人(消費者側)がこのコラムを見ると、結局のところ営業マンの手の内を明かすような内容になるよね?」と気づいてしまいました。筆者はもう全ての営業マンにめちゃくちゃ嫌われるかもしれません(笑)
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