2026年の税制改正において、つみたてNISAの対象年齢制限が撤廃され、未成年でもNISA口座が開設できる「こどもNISA」が創設される見通しとなりました。
一定の要件のもとであれば、12歳以降には払い出しが可能となるなど、次世代の資産形成を後押しするとともに、進学資金や成人後のライフイベントに備える柔軟な運用が期待されています。
今回は、こどもNISAについて、2023年に廃止されたジュニアNISAとの違いを交えながら、その特徴を分かりやすく解説します。
こどもNISAの概要
こどもNISAは、未成年向けの少額投資非課税制度です。
令和8年度税制改正大綱によれば、現在18歳以上が対象となっているNISAのつみたて投資枠について、対象年齢を撤廃し、未成年も利用できる仕組みとする方向が示されています。
制度案の主なポイントは、次のとおりです。
- 対象年齢:0歳から17歳までの未成年者
- 年間投資枠:60万円
- 非課税保有限度額:600万円
- 非課税保有期間:無期限
- 投資対象商品:長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託
- 払出しルール:一定の要件のもと12歳以降払出し可能
払出しに関する一定の要件とは、教育費や生活費など、資金の使途が子どものためであることを前提とし、子ども本人の同意を得ている場合を指します。親権者等は、子どもの同意を示す書類を申出書とともに金融機関へ提出する必要があるとされています。
ジュニアNISAとの違い
以前までは、未成年を対象とした非課税制度としてジュニアNISAがありました。しかし、利用実績が乏しいことなどから2023年末をもって終了しています。
では、今回示されたこどもNISAは、ジュニアNISAと何が違うのでしょうか。
制度の内容を比較しながら変更ポイントを見ていきましょう。
| ジュニアNISA | こどもNISA | |
| 対象年齢 | 0~17歳 (2023年までは0~19歳) | 0~17歳 |
| 年間投資枠 | 80万円 | 60万円 |
| 非課税保有限度額 | 400万円 | 600万円 |
| 非課税保有期間 | 5年間 | 無期限 |
| 投資対象商品 | 上場株式・投資信託等 | 長期の積立・分散投資に 適した一定の投資信託 |
| 運用管理 | 原則18歳まで払い出し制限 | 一定の要件の下 12歳以降は払出しが可能 |
年間枠は抑えつつ、生涯枠は拡大
年間投資枠はジュニアNISAよりも縮小されていますが、非課税保有限度額は拡充されています。短期間で大きく投資するのではなく、時間をかけて積み上げていく仕組みが前提です。
非課税保有期間は無期限
ジュニアNISAでは非課税で保有できる期間は原則5年間とされ、18歳になると課税口座へ払い出される仕組みでした。
一方、こどもNISAは非課税保有期間が無期限となります。さらに、18歳以降は成人向けのつみたて投資枠へ自動的に移行するため、長期で運用を続けやすい制度となります。
つみたて投資に特化
ジュニアNISAでは個別株も買えましたが、こどもNISAは金融庁の基準をクリアしたつみたて投資枠専用の投資信託のみが対象です。値動きの大きい商品は含まれず、長期・分散投資を前提とした設計になっています。投資に慣れていない家庭でも始めやすい仕組みになります。
柔軟に払出しが可能に
ジュニアNISAでは18歳まで払出しが制限されていましたが、こどもNISAでは12歳から払い出しが可能になります。これにより、私立中学の学費や塾代といった、大学進学前の教育資金ニーズにも対応できるようになりました。
おわりに
「12歳からの柔軟な払出し」と「非課税期間の無期限化」という2つの大きな見直しにより、教育資金の準備だけでなく、子どもの将来に向けた長期的な資産形成を支える制度となることが期待されています。
制度の開始は2027年(令和9年)の予定です。今後の法改正や詳細な制度設計の内容にも注目しながら、それぞれの家庭に合った活用方法を検討していくことが大切になりそうです。
【参考資料】
金融庁『令和8(2026)年度税制改正について』
金融庁『平成27年度税制改正について』


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