2025年4月から、育児休業中にもらえる給付金が拡充されました。
これにより、一定の条件を満たせば育児休業中でも手取り8割相当の給付を受け取れる仕組みが導入されています。
今回は、雇用保険に加入している人が受け取れる育児関連給付の種類についてご紹介します。
雇用保険から支給される3つの給付
2025年4月以降、育児休業中に雇用保険から支給される給付金は次の3種類です。
- 出生時育児休業給付金
- 育児休業給付金
- 出生後休業支援給付金(2025年新設
それぞれの特徴を見ていきましょう。
①出生時育児休業給付金(通称「産後パパ育休」)
出生時育児休業給付金は、子どもの出生直後の育児休業に対して支給される給付金です。産後休業と重複して取得することはできないため、主に父親の利用が想定されています。
対象期間
子どもの出生日または出産予定日から8週間以内に取得した育児休業のうち、最大4週間(28日)までが支給対象となります。8週間以内であれば、2回に分けて取得することも可能です。
支給額
休業開始時賃金の67%が支給されます。
支給額には制限が設けられており、上限額は日額16,110円(令和8年7月31日までの額)となっています。
例えば、休業開始時の賃金日額10,000円の被保険者が、14日間の出生時育児休業を取得した場合の支給額は以下の通りです。
出生時育児休業給付金=10,000円×14日×67%=93,800円
②育児休業給付金
育児休業給付金は、子どもが1歳になるまでの育児休業に対して支給される給付金です。
父母ともに取得でき、一定の条件を満たせば最長で子どもが2歳になるまで受給することができます。
対象期間
産後休業もしくは、出生時育児休業明けから、原則子どもが1歳になるまでが支給対象です。
出生時育児休業給付金を取得せず、出生日または出産予定日から育児休業を取得することも可能です。期間内であれば2回に分けて取得することができます。
また、一定の条件を満たすと、育児休業給付金の給付期間を延長することができます。
延長:1年2か月(パパ・ママ育休プラス)
両親がともに育児休業を取得する場合は、パパ・ママ育休プラス制度を利用することで、育児休業の期間を子どもが1歳2か月に達するまで延ばすことができます。
ただし、休める期間が1年2か月に増えるわけではありません。
母親は産後休業と育児休業を合わせて最長1年、父親は出生時育児休業と育児休業を合わせて最長1年という上限は変わりません。
父親が母親の復職に合わせて交代で休業する場合や、夫婦で育児休業の時期をずらして取得する場合に活用される制度です。
延長:1年6か月(保育所等の未入所など)
保育所等の利用を申し込んでいるが入所できないなど、復職が困難な場合は子どもが1年6ヶ月まで延長することができます。
また、それでも状況が改善されない場合は、最大2歳になるまで再延長することもできます。
支給額
休業開始から180日間は休業開始時賃金の67%、181日以降は50%が支給されます。
支給額には制限が設けられており、令和8年7月31日まで、上限は日額16,110円、下限は日額3,014円となっています。
例えば、休業開始時の賃金日額10,000円の被保険者が、30日間の育児休業を取得した場合の支給額は以下の通りです。
育児休業給付金=10,000円×30日×67%=201,000円
③出生後休業支援給付金
出生後休業支援給付金は、 2025年4月に創設された制度で、両親がともに育児休業を取得した場合に上乗せで支給される給付金です。これにより、休業開始から一定期間は実質的に賃金の約80%相当の給付となります。
対象期間
母親は産後休業後8週間以内(出生日から16週以内)、父親は出生日もしくは出産予定日から8週間以内に、それぞれ14日以上育児休業(出生時育児休業を含む)を取得すると、最大で28日間給付されます。
支給額
通常の育児休業給付金に加えて、一定の条件を満たすとさらに13%が上乗せされます。
例えば、休業開始時の賃金日額10,000円(28日換算で28万円)の被保険者が、出生時育児休業を28日取得した場合の支給額は以下の通りです。
出生時育児休業給付金の支給額=10,000円×28日×67%=187,600円
出生後休業支援給付金の支給額=10,000円×28日×13%=36,400円
給付金の合計=224,000円(28万円の80%に相当)
育児給付金 比較一覧表
自分やパートナーがどの制度を使えるのか、最終チェックしてみましょう。
| 給付金の種類 | 主な対象者 | 対象期間 | 支給額 |
| 出生時育児休業給付金 (産後パパ育休) | 主に父親 | 産後8週間以内 最大28日間まで | 賃金の67% |
| 育児休業給付金 (メインの育休) | 父親・母親 | 原則1歳まで (最長2歳まで延長可) | 開始〜180日:67% 181日以降:50% |
| 出生後休業支援給付金 (手取り8割に) | 両親ともに 取得する世帯 | 早期に育児休業取得で 最大28日間まで | 育児休業給付金に 13%上乗せ |
おわりに
両親ともに育児休業を取得することが要件となっているものでも、ひとり親世帯など単独で給付できる仕組みも設けられています。
また、給付を受けるにはそのほかにも細かな要件があり、休業期間中に就労できる日数にも上限が定められています。実際の適用にあたっては、事前に勤務先やハローワークで確認しておくことが大切です。
制度は年々見直しが進んでいます。最新の情報を確認しながら、自身の働き方や家庭の状況に合わせて上手に活用していきましょう。
【参考資料】
厚生労働省『育児休業等給付の内容と支給申請手続』
厚生労働省『Q&A~育児休業等給付~』


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