失業保険はいつからもらえる? 自己都合退職の給付制限が短縮された2025年改正を解説

マネー

2025年4月から、自己都合退職でも失業保険(雇用保険の基本手当)が早く受け取れるようになりました。

これまでは自己都合で退職した場合、失業手当を受け取るまで原則2か月かかっていましたが、この期間が1か月に短縮されています。

さらに、一定の条件を満たして国が指定する教育訓練を受けた場合には、この1か月の給付制限もなくなり、7日間の待期期間後すぐに受け取れるようになりました。

今回は、この2025年4月の改正で何が変わったのか、そして失業保険を受け取るための条件やタイミングをわかりやすく解説します。

失業保険をもらうための条件

失業保険とは、離職後の生活を一時的に支えるために支給される給付金制度です。

給付金そのものの正式名称は「(雇用保険の)基本手当」で、雇用保険の被保険者が離職した際に受け取ることができます。
ただし、この基本手当は離職したすべての人が受け取れるわけではなく、受け取るためには次の条件を満たす必要があります。

【条件1】働く意思と能力があること

基本手当は、再就職までの生活を支えるための制度です。そのため、病気やケガ、妊娠や出産などしばらく働くことができない状態の人や、家業に専念する人、すぐに働く意思のない人は、基本手当の対象外となります。

ただし、病気やケガ、出産や介護などを理由に30日以上継続して働けない場合は、あらかじめ受給期間を延長しておくことができます。最長4年まで延長可能で、体調が回復し、就職活動ができるようになったタイミングで改めて基本手当を受け取れます。

また、病気またはケガが原因で就業が困難な状況が15日以上続く場合は、基本手当の代わりに傷病手当金を受け取れる可能性もあります。

【条件2】雇用保険の加入期間

基本手当を受け取るには、雇用保険に一定期間加入している必要があります。

この加入期間を被保険者期間といい、離職日を基準として1ヶ月ごとに区切り、11日以上または80時間以上働いた月を1ヶ月として数えます。これは正社員だけでなく、週20時間以上働くパートやアルバイトも対象になります。

自己都合で退職した場合は、離職日以前の2年間で通算12ヶ月以上あれば受給することができます。

一方、倒産や解雇、病気や介護などやむを得ない理由で離職した場合は、離職日以前の1年間で6か月以上の加入があれば受給できます。

基本手当は退職理由でもらえる時期が変わる

基本手当には、ハローワークで求職の申し込みをした日(受給資格決定日)から7日間の待機期間が設けられています。さらに、この待機期間の後、離職理由により最長で3ヶ月間、受給できない「給付制限」の期間があります。それぞれどんな人がどのタイミングで受け取れるのかを見ていきましょう。

待機期間後すぐにもらえるのはこんな人

倒産や解雇など、会社の都合で退職せざるを得なかった「特定受給資格者」や、病気やケガが理由で退職した人(※)、契約期間の満了など働く意思はあるがやむを得ない理由で離職した「特定理由離職者」は、待期期間終了の翌日から給付が開始されます。
※ 病気やケガを理由に退職した場合は、ハローワークでの申請時点で既に回復し、働ける状態でないといけません。

また、特定受給資格者や特定理由離職者に該当しない離職者でも、離職日前1年以内に教育訓練の受講を開始し、2025年4月1日以降にその訓練を受けている場合は、給付制限が解除されます。事前に申請を行えば、待期期間終了後すぐに基本手当を受け取ることができます。

給付制限があるのはこんな人

キャリアアップや転職など、自己都合で退職した場合は、待期期間(7日間)に加えて、次のような給付制限期間が設けられています。この期間中は基本手当を受け取ることができません。

  • 離職日が2025年3月31日以前であれば原則2か月、2025年4月1日以降であれば原則1か月の給付制限となります。
  • 離職日前の5年間に自己都合退職による離職が2回以上ある場合、または重大な理由による懲戒解雇(いわゆる重責解雇)を受けた場合の給付制限は3か月です。

なお、教育訓練を受講する際は、これらの給付制限が解除されますが、重責解雇された場合は教育訓練を受けても解除はされません。

失業保険を上手に受け取るためのポイント

せっかくの制度も、手続きのタイミングを逃すと受け取れる金額や期間に影響が出ることがあります。ここでは、スムーズに受給するために押さえておきたい3つのポイントを整理します。

【ポイント1】ハローワークでの手続きは早めに行う

受け取れる期間には原則として、離職日の翌日から1年間という受給期間(有効期限)があります。手続きが遅れると、受給期間を過ぎてしまい、本来受け取れるはずの給付日数分を受け取りきれない可能性があります。会社から離職票を受け取り次第、早めにハローワークで求職の申込みを行い、受給資格の決定を受けましょう。

【ポイント2】教育訓練を受けるなら早めの申請を

教育訓練を受講して給付制限を1か月目から解除するには、初回認定日までにハローワークへ教育訓練を受講する旨を伝え、必要書類を申請する必要があります。

基本手当を受け取るには、4週間に1度の認定日にハローワークへ出向かなければなりません。認定日には、失業状態や求職活動の確認が行われます。

教育訓練を受講してから最初の認定日までに書類を申請しなかった場合、給付制限が解除されず、基本手当を受け取れない期間が発生します。

教育訓練の受講を考えている場合は、申請のタイミングを逃さないようにしましょう。

【ポイント3】求職活動の実績を忘れずに

基本手当の給付を継続して受けるには、認定日ごとに求職活動を行っていることを報告する必要があります。この求職活動には、応募や面接だけでなく、ハローワークでの職業相談や職業紹介への参加も含まれており、原則として各認定期間中に2回以上の実績が必要となります。認定日の直前に慌てることのないよう、計画的に活動しましょう。

おわりに

今回の改正は、特に前向きな転職を考えている自己都合退職者にとって非常に大きなメリットです。給付制限期間が短くなることで、退職後の不安が減り、心にゆとりを持って次の仕事を探せるようになります。

退職を考えている人は、自分がどのタイプに当てはまるのか、給付条件を満たしているかをチェックしておきましょう。

【参考資料】
厚生労働省『基本手当について
厚生労働省『Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)
厚生労働省『令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できます

執筆者:鍛治田祐子

■ファイナンシャルプランナー

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