2025年経済カレンダーとアメリカが日本に与える影響

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投資に興味があるなら経済に関するイベントは押さえておきたいですよね。
特に2025年はトランプ政権が発足することで、アメリカのみならず世界経済全体に影響を与えるとされており注視されています。今回はトランプ2.0が与える日本への影響について考えてみましょう。

2025年 FOMC/ECB理事会/日銀金融政策決定会合 開催日

まずはじめに、FOMC、ECB理事会、日銀金融政策決定会合の開催日を押さえておきましょう。なお、米雇用統計は原則、毎月第1金曜日に発表されます。

FOMC

FOMCとは、Federal Open Market Committee(連邦公開市場委員会)の略称で、アメリカの金融政策を決定する会合のことを指します。FOMCが会合直後に発表する声明文や、3週間後に公表する議事要旨は政策の背景や今後の方向性を示しており、その内容は世界経済に大きな影響を与えるため、金融市場や投資家から注目されています。

ECB理事会

ECB理事会とは、European Central Bank(欧州中央銀行)の最高意思決定機関で、ユーロ圏の統一的な金融政策を決定する会合のことを指します。理事会の直後には記者会見が行われ、4週間後には議事要旨が公表されます。

日銀金融政策決定会合

日銀金融政策決定会合とは、日本銀行が日本の金融政策について審議・決定する会合のことを指します。年4回公表される「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」には政策の方針や経済・物価の見通しなどがまとめられており、会合直後の記者会見と共に注目されています。

トランプ2.0 の始動で考えられる日本への影響

トランプ氏の就任式を今月20日に控え、その時の演説と政策方針に注目が集まっています。

今回、大統領・上院の過半数・下院の過半数をトランプ氏率いる共和党が勝ち取り、トリプルレッド(Trifecta:トライフェクタ)となったことで今後法律を通しやすくなりました。

トランプ氏は元々不動産王でありビジネスマンです。そんなトランプ氏が掲げる ”America first (米国第一主義)” において、今後は自国であるアメリカの利益を最大にする政策方針を打ち出すのではないかと考えられます。その政策方針による日本への影響として、”関税強化”と”インフレ抑制”の観点で考えてみましょう。

関税強化

トランプ氏は輸入品関税について、中国に対しては60%、その他の国や地域に対しては10%-20%を検討しています。

関税というのは、輸入品に課される税金のことをいい、通常は輸入者が輸入国に納めます。

例えば、中国で100円相当の製品を製造し、アメリカに輸入した場合、60円の関税がかかることになります。輸入企業はアメリカ政府に60円を納税するため、商品は160円以上で売る必要がでてきます。

2016年の選挙でトランプ氏は中国に対して45%の関税を主張していましたが、退任直前の関税は21.0%に留まった経緯があるため、今回の主張のように60%もの関税を達成できるのかは疑問です。

しかし、人件費が安い中国へ製造を依頼し、そのまま中国からアメリカへ輸出するといった商売をしている日本企業はたくさん存在します。もし、このような高い関税が実現した場合、中国以外の企業に製造を依頼したり、アメリカ以外の市場も開拓するといった対策をせねばなりません。

インフレ抑制

現在のアメリカ経済は、労働市場の強さやGDPの成長率などから景気は好調であるとされています。しかし、実際には多くの国民に物価高が重く圧し掛かり格差が広がっています。トランプ氏はこの現状をバイデン政権による失策であると批判し、インフレ抑制に意欲を見せてきました。

一方で、トランプ氏が掲げる関税引き上げにも、インフレを高める側面があります。

例えば、関税を引き上げると輸入商品の価格が上昇し、高くなった輸入商品が売れれば、国内産の商品の価格も連動して上昇する可能性があります。さらに、価格上昇の影響で輸入商品が減少すると、アメリカ国内産業への期待が高まり、ドルの価値が上昇すると考えられています。もし、ドル高・円安が進行すれば日本での輸入品の価格は上昇し、コスト高からなる物価上昇を招くとされています。

おわりに

いかがでしたか? トランプ次期政権の政策は、日本経済にも大きな影響を及ぼす恐れがあります。市場の動向を見極めるためにも、今後の情報に注目してみてください。

次回は、欧州が日本に与える影響について考えていきたいと思います。

なお、この記事には筆者自身のオピニオンが含まれており、掲載情報等に起因する損害等が発生しても責任を負いません。

執筆者:鍛治田祐子

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