子どもの将来に備えた保険選び

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子どもの教育資金の準備として、児童手当を貯金するのはもちろんのこと、保険を使って計画的に備えたいと考えている人もいるのではないでしょうか。
保険相談でよく案内されるのは、学資保険と低解約返戻金型終身保険といった貯蓄型の生命保険ですが、みなさんはそれぞれの特徴をご存じですか?
今回は、保険を活用して教育資金を準備するための情報として、学資保険と低解約返戻金型終身保険の特徴やメリット、デメリットを紹介します。

■学資保険の特徴

学資保険は、教育資金の準備を目的とした生命保険の一つで、”こども保険”とも呼ばれています。他の生命保険とは異なり、学資保険では必ず子どもが被保険者となります。

契約者=保険契約を結び、保険料を支払う人。通常は親が契約者となる。
被保険者=保険の対象となる人。学資保険では必ず子ども。
受取人=保険金や給付金を受け取る人。

被保険者(子ども)が保険の対象となるため、契約者(親)自身の病気やケガは保障の範囲外です。ただし学資保険の特徴として、契約者が亡くなった場合には、保険料の支払いが免除されることが一般的です。

また、学資保険では進学時期に合わせて給付金や満期金を受け取る仕組みがあり、受け取るタイミングは選ぶことができます。

祝い金あり=小学校・中学校・高校など節目のタイミングで祝い金が支給され、大学入学時には満期金を受け取ることができます。
祝い金なし=祝い金の支給がない代わりに、満期金は祝い金ありのタイプより多く設定されています。
学資年金タイプ=払込期間を終えてると、一定期間、年金形式で祝い金を受け取ることができます。

学資保険のメリットとデメリット

学資保険では契約者(親)が死亡した場合、以降の保険料の支払いを免除する制度が用意されており、保険料を支払わなくても予定通り満期金を受け取ることができます。

ただし、親が死亡した場合に受け取れるような保険金がないため、両親が同時に死亡するなど想定外の事態が起こると、子どもの生活費が確保できないリスクがあります。残された子どもが親族と養子縁組を結んだ際には、遺族年金の受給権が消滅するため、「遺族年金があるから大丈夫」と安易に考えず、親が被保険者である生命保険の加入も、併せて検討することが必要があります。

■低解約返戻金型終身保険の特徴

低解約返戻金型終身保険では親を被保険者に設定します。低解約返戻金型終身保険は払込期間中の解約返戻金が少ない代わりに、一般的な終身保険に比べ、保険料が割安に設定されている保険です。払込期間終了後に解約すると、払い込んだ保険料よりも多くの解約返戻金を受け取れる仕組みです。

例えば、子どもが3歳になったタイミングで加入し、毎月18,516円を14年間払い込む場合、総額で約311万円払い込んだことになります。そして、そのまま払込期間終了直後に解約すると、払い込んだ保険料よりも多い、約314万円を解約返戻金として受け取ることができます。

この解約返戻金は、解約せず運用を続けると、さらに増加します。上記の条件の下、14年間の払込期間を完了後、解約せず契約を継続した場合、20年後には約323万円、30年後には約341万円にまで増やすことができます。

また、解約しない限り、被保険者が亡くなった際には保険金を受け取ることができます。

低解約返戻金型終身保険のメリットとデメリット

低解約返戻金型終身保険は好きなタイミングで返戻金を受け取れるのが魅力の1つです。契約時は大学費用の準備が目的だったとしても、子どもが進学せず就職を選んだ場合、親の老後資金にあてることもできます。また、解約せず契約を継続することで、葬儀費用や相続対策にも活用できます。死亡保険金は相続税の課税対象であり、”500万円×法定相続人の数”の金額は非課税の対象になります。

払込期間が過ぎると魅力的なメリットがある低解約返戻金型終身保険ですが、払込期間中に解約すると元本割れするというデメリットもあります。契約途中で見直したり解約する選択肢が取りにくいため、確実に払い込める計画を立てた上で加入することが大切です。

■おわりに

いかがでしたか? 教育資金を用意できる目処がついている場合には不要ですが、自力での貯金が苦手な人は保険を活用するといいでしょう。

どちらの保険も貯蓄性が高く、子どもの教育資金を計画的に備えることができます。ただし、途中解約すると元本割れのリスクがあるため、それぞれのメリットとデメリットを比較しながら検討する必要があります。是非、あなたのご家庭に適した方法を選んでみてください。

執筆者:鍛治田祐子

■ファイナンシャルプランナー

【保有資格】CFP®認定者 1級ファイナンシャルプランニング技能士

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