データを効率よく管理・共有したいと思ったことはありませんか?
ダッシュボードなどを活用すれば、重要な情報を一目で把握でき、業務の効率化がぐんと進みます。「作るのが難しそう…」と感じる方もいるかもしれませんが、基本の流れさえ押さえれば意外と簡単です。
今回は、リンク付きの簡単なダッシュボードの作り方と、セルにフォーカスする方法をご紹介します。
ダッシュボード
ダッシュボードとは、さまざまなデータを視覚的にまとめ、一目で把握できるようにした画面のことです。Excelではグラフを組み合わせることで、より効率的にデータを共有することができます。
これから作り方を紹介するとともに、下図のようなグラフとテキストボックスを活用したダッシュボードを作っていきます。

下準備
ダッシュボードを作る前に使用するデータを整理し、作成の目的を明確にしておくことが大切です。
テーマが決まったら、レイアウトを考えましょう。配置に迷ったときは、仮の図形を先に配置してみるのがおすすめです。全体のイメージがつかみやすくなり、より具体的なレイアウトを決めやすくなりますよ。
今回はA列に各シートへ移動できるメニューを設置するため、A列は背景とは別の色で塗りつぶします。背景を全て同じ色で塗りつぶしたい時は、セル番号の表示下にある[◢]のマークをクリックすると全てのセルを選択することができます。

グラフの配置
それぞれのデータからグラフを作って配置していきます。
グラフが多くなりそうな場合は、2つのグラフを1つのグラフにまとめるとスペースの削減になります。
一例としてカテゴリー別のグラフと、商品別のグラフを合わせて二重のドーナツグラフを作っていきます。
- ”外側にしたいグラフ”を右クリックし、コピー又は切り取りを選択。ショットカットキーでは[Ctrl]+[C]でコピー、[Ctrl]+[X]で切り取りを行えます。
今回は「カテゴリー別売上」グラフをコピー。
- 次に”内側にしたいグラフ”を右クリックし、コピーしたグラフを貼り付け。ショットカットキーでは[Ctrl]+[V]で貼り付けが行えます。
今回は「商品別売上」グラフに貼り付け。
- グラフを調整。
カテゴリー別売上のグラフを外側に、商品別売上のグラフを内側にするドーナツグラフができました。

うまくグラフに反映されなかった時や、グラフデータの修正を最小限にしたい時に是非試してみて下さい。
グラフの配置が終わりました。

自動反映されるテキストボックス
値が自動で反映されるテキストボックスを配置していきます。
テキストボックスと指定のセルを[=]で結ぶことで、元データを更新するとテキストボックスも自動的に更新することができます。
一例として総売上を表示していきます。
- テキストボックスを挿入。
- テキストボックスを選択した状態で数式バーに「=表示したいセル」を入力
今回は「2025」のシートにある「C14」を選択。
- [Enter]をクリックします。
この時、テキストボックスに直接入力することや、数式を入力することはできないので注意しましょう。また、セルを紐づけすると文字入力もできなくなるので、必要な場合は図形を組み合わせると効果的に表示できますよ。
今回は、総売上という文字を入れたいので、図形を一つ選択して文字を入力。あとは2つを調整して重ねれば完成です。

テキストボックスの配置が終わりました。

メニュー作り
各店舗の日別の売上シートや商品別の売上シートを1クリックで確認できるメニューを配置していきます。この時テキストボックスだけではなく、アイコンを使用すると、多様な画面作りができます。
一例としてはテキストボックス3つと、アイコン2つを配置していきます。
- テキストボックスを挿入。
今回は「東京店」「名古屋店」「大阪店」の3つを作成。
- [挿入]タブから[アイコン]をクリック。
- アイコン一覧が表示されたら、好きなアイコンをクリック。
複数のアイコンを選択し、同時に挿入することが可能です。
- [挿入]をクリック。

続いてリンクを貼り付けていきます。
- リンクを貼り付けたい図を右クリックし、[リンク]を選択。
- ハイパーリンクの挿入が表示されたら[このドキュメント内]を選択。
- リンク先のシートを選択。
- [OK]をクリック。

- 全ての項目にリンクを貼り付ける。
- メニューがある列ごとコピーし、各シートに挿入。
これでリンクを貼り付けた図にカーソルを合わせると手のマークに変わります。そのままクリックすればリンク先に移動することができます。

カーソルに合わせて行や列を強調
ダッシュボードが完成したら、次はリンク先のシートで行や列を見やすくしてみましょう。
ここではマクロを使いますが、コピーして貼り付ければ誰でも行うことができるので挑戦してみてください。
- 強調したいシートを選択。
今回は「東京」のシートを選択。
- 強調したい範囲を選択。
今回は表で使用したいため、表のみ範囲選択します。
- [ホーム]タブにある[条件付き書式]をクリック。
- [新しいルール]を選択。
- [新しい書式ルール]から[▸数式を使用して、書式設定するセルを決定]を選択。
- 数式を入力。
行のみを強調「=CELL(“ROW”)=ROW()」
列のみを強調「=CELL(“COL”)=COLUMN()」
セルのみを強調「=AND(CELL(“ROW”)=ROW(), CELL(“COL”)=COLUMN())」
行と列を同時に強調「=OR(CELL(“ROW”)=ROW(),CELL(“COL”)=COLUMN())」
今回は行と列を同時に強調したいたいため、「OR(CELL(“ROW”)=ROW(),CELL(“COL”)=COLUMN())」を入力します。
- [書式]をクリックし、[塗りつぶし]タブから背景色を選択。
- [OK]をクリック。

- シート名を右クリックし[コードの表示]をクリック。

- ウィンドウが2つ重なって出てくるので、真ん中のコード画面から[(General)]を[Worksheet]に変更する。
- 1行目と3行目に選択範囲の処理を実行するという意味のコードが既に入力されているので、2行目に「Application.ScreenUpdating = True」を入力。

- 画面を閉じれば完成。
書式ルールの数式を変更するだけで下記の図のように、強調する場所を簡単に変えることができます。目立たせたい部分に合わせてカスタマイズしてみてください。

最後にファイルを閉じた後もマクロを有効にするため、ファイルの種類を「Excelマクロ有効ブック」に変更して保存しておきましょう。

おわりに
最初は慣れないかもしれませんが、基本の手順を繰り返すことで、自分なりのアレンジもできるようになります。今回ご紹介した方法を活用して、ぜひ業務に役立つオリジナルのダッシュボードを作ってみてください。
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