こんにちは。「新しい農業のカタチづくり」を目指している椴 耕作です。
前回は、現在も農業の師と仰ぐH先生との出会いまでをお話させていただきました。
今回は、そのH先生とのお話の続編です。
H先生から教わった“農業が持っている凄いもの”とは…。
H先生から、
椴さん、農業はこの日本にとって、欠かすことができない“あるもの”を持っている。
何だと思いますか。
と、尋ねられました。
「食の大切さ…、地域活性化の源…」等々、頭に浮かんだきたものをお答えした次第です。
それらももちろんそう。
でも、農業にはもっともっと深いものがある。
何だか分かりませんか。
私は答えに窮してしまいました。
農業は、日本の産業の“礎(いしずえ)”…?!
しばらくすると、H先生は、
農業には、日本の産業技術を世界トップレベルにまで押し上げた“礎(いしずえ)”がある。
「繊細で細やかな手仕事、きめ細やかな心配りに裏打ちされたものづくり」がそう。
そのいずれもが、農業によって培われたものであり、これこそがこれまでの日本の産業を育んできた“礎”である。
その農業が廃れるということは、すなわち、日本の産業がダメになるということを意味する。
だから私は、このままではいけない、これからの農業を強く、魅力あるものにしないといけないという強い思いで、農業経営を支える仕事に取り組んできたんですよ。
と、農業にかける熱い思いを語ってくださいました。
「農業は、日本の産業が発展する“礎”になっていたこと」
というお話をお聞きしたとき、そこまで農業に深い意味があるとは思いも寄らず、大きな驚きでした。
私は、親父達が守ってきた地域の農業をこのまま終わらせてはいけない、何とかしたいという一心で、「新しい農業のカタチづくり」に取り組もうと決意したわけですが、「農業が日本の産業を発展させる“礎”」になっていることを知り、これからの農業を何とかしたいという気持ちは益々強くなっていきました。
でも、私自身、自分が具体的に、どう行動していけばいいのか、暗中模索の状態です。
目指すのは「農業経営アドバイザー」…?!
そういう私に、H先生から最後にこのアドバイスをいただきました。
あなたは、まず、農業経営アドバイザーの資格を取りなさい!
と。
具体的な行動の第一歩が踏み出せない私に、「農業経営アドバイザーの資格取得」という明確な道しるべを作っていただいたこと、私には一筋の光明が差し込んで来た思いでした。
しかし、H先生から聞いた「農業経営アドバイザー」、私にとっては初耳でした。
初対面の私に、このような貴重なアドバイスをしてくださったH先生に、心の底からお礼を申し上げ、その日はH先生の事務所を後にしました。
自宅に帰ってから「農業経営アドバイザー」について調べてみました。
H先生が勧められた意味が少しだけ分かったような気がしました。
ここで、農業経営アドバイザーという資格について、少しご説明させていただきますね。
「農業経営アドバイザー」は、日本政策金融公庫が実施している研修、その後の試験に合格して初めて取得できる資格になります。
募集対象者は、誰でもいいというわけではなく、日本政策金融公庫本支店と連携して農業経営者への支援ができる方が対象ということになっています。
そして、全部で下記の6科目を受講する必要があります。
- 「農業簿記・農業税務」
- 「農業経営診断・改善の進め方」
- 「労務管理」
- 「農地制度・農地所有適格法人」
- 「農業マーケティング」
- 「農業・農村構造と農業政策」
ただ、受験者が公認会計士、税理士である場合は、一部の科目免除があったりします。
私が受験する頃は、東京に出向き、約1週間かけて研修&試験を受けていました。
今は、インターネットで研修を受け、試験については、一部レポート試験もあるようですが、自宅近くの指定された試験会場で受験すればいいようになっているようです。
H先生のアドバイスを受け、私は「農業経営アドバイザー資格を取得する!」という、第一の目標に向かって動き出すわけですが、それは、同時に「農業簿記」との格闘(?!)との始まりでもありました。
「農業簿記との格闘?!」については、次回でお話していきますね。
従事者の高齢化等で存続が危ぶまれる「地域の”農”の活性化」をモットーに、「新しい農業のカタチづくり」を目指す農業経営アドバイザー。活動の一環として DOEs NOTE で農業や地方創生に関するコラムを発信中!
【資格・所属等】
CFP、宅地建物取引主任者、農業経営アドバイザー、農業簿記検定1級、NIE.E指導委員
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